著者がポイントとして考える、AIの基礎をできるだけ簡単な形でお伝えします。どちらかというとデータサイエンティストの方へというよりは、現場実務者であったり、文系出身の方向けの内容となっております。書籍等で勉強する前にご一読いただけると、理解を深めることができると思います!
前の記事で、過去に経験したことを基にした判断や、なんとなくそれっぽく分けるなどをAIにすることができることを説明しました。詳しくは↓を参照してください。
AIにするということは、そこまで難しいことではないけれども、それが強いAIとなるか?は少し難しいことになります。
強いAI・弱いAIとは
- 弱いAI:ルールベースで代用可能なAI
ルールベースとは、ルール化された作業のことを指し、製造業では標準化などと言われたりします。先輩社員が、新入社員へ教えるマニュアルのようなイメージです。ルールベースで解決できる課題は、プログラミングで解決できる課題である可能性が高いので、あえて苦労してAI化する必要が無いかもしれません。
- 強いAI:ルールベースで説明不可能、あたかも人の様な回答をだすAI
強いAIの定義としてドラえもんのような汎用人工知能のことをよく言われたりしますが、ここではそこまでのAIは指しません。ある分野において匠の技術を置き換えられたり、有識者に代わって同等の答えを出すAIをイメージしてください。強いAIは一度つくると絶大な効果を発揮することができますが、多くのデータが必要となるというデメリットもあります。
実は強いAIと弱いAIの間に明確な境界線はなく、AIをモデリングする人(あなた)の采配が必要となります。ひたすら強いAIをつくろうとすると、膨大なデータを新たに取得する必要が出てきて、莫大なコストと時間がかかることになります。一方で、弱すぎるAIをつくるにはコスト・時間は少しでいいですが、ルールベースのプログラミング(RPA)をして解決した方が確実だったりします。両方のいいところをとるAIをつくることが現時点では最も効率よい方法と思います。いいとこ取り=モデリングする人(あなた)が使ってみて便利に感じるレベルで采配することが求められるということです!
そんなこと言われても、それが分からないから調べているんですが…
そうですよね…すみませんでした。著者の経験ですが、
初心者がAIをつくると大抵は弱いAIになります(ニューラルネットワークは別ですが)。従って強いAIをつくることに意識を向けると良いと思います。
よし!タイトル回収w
強いAI・弱いAIは、機械学習型AI・ルールベース型AIなどと言われることもあり、詳しく知りたい方はググってみるといいかもしれません。
その課題、本当にAIをつくるべきか?よく考えよ
ここはすごく重要です。AIを推進する著者がそれを言うか!とツッコミありそうですが、一つ言わせてください。
AIは問題・課題を解決するための手段の1つなので使わなくてもいいです!
どーーーん!!
使わなければいけない縛りがあるわけではありません。とは言え使ってもらいたいですが…AIをモデリングする人(あなた)の課題を解決できるのであれば、AIであろうと、RPAであろうと、勘であろうとなんでもOKなんです。著者はデータサイエンティストではないので、その辺のことは寛容です。
AIをつくるべき課題、不要な課題はどう決めるか、著者的には”そこに人の考えが介入するかどうか“が1つの基準だと思っています。あとデータ数あるに越したことはないです。
- 工場ラインの品質チェック
- 食堂のランチ販売数予測
- アンケートのコメント解析 など
工場ラインの品質チェックは人が介入する課題です。人はミスをしたり、休憩が必要ですので、正確性、スピードが得意なAIをつくることが有効です。食堂のランチは、おじさんが経験で販売数予測しています。フードロス問題解決のためにもAI化しましょう。アンケートについてマークシートはRPAで効率化できると思いますが、人の読解が必要なコメントの解析にはAIをつくったほうが効率よく進められると思います。
あとは、やはりデータ数が要となります。ただしデータが少ない場合でもデータを増やす方法(Data Augmentation)だったり、乱数でデータを補間する方法だったり対応策が存在します。そこで、まずは
その課題、本当にAIをつくるべきか?に対しては、そこに人の考えが介入するかどうか
を見極めることだと思います。
強いAIをつくるために必要なこと
最後に強いAIをつくるために必要なことは何か?と言うと以下の2つです。
- データの質よく考えよ
- 過学習を見極めよ
Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れたら、ゴミが出てくる)
という格言がAI業界にはあります。質の悪いデータを入れると質の悪いAIができるということです。強いAIをつくるためにデータの質は重要な要素となります。
過学習とは、いきなり出てきましたがAIをつくる過程で発生する問題です。AIが学習する際、教師データに対し過剰にフィッティングしてしまう現象のことを言います。この状態になると未知の問題に対応しきれなくなり、汎用性が低下します。テスト前に過去問を必死に解いて完璧になったが、過去問以外の問題が全く解けず爆死するやつですね。
これらは、少し長くなる話なので、詳しくは別の記事でご紹介しようと思います!
まとめ
- 強いAIとは、あたかも人の様な回答をだすAI。強いAIをつくる意識をもつ
- AIにすべき課題は、そこに人の考えが介入するかどうかで判断する
- 強いAIをつくるためには、データの質よく考えること、過学習を見極めること。
コメント