G検定はディープラーニングの基礎知識の有無を問われる検定ですが、 幅広い職種のビジネスパーソンを対象としており、私のような非エンジニアや、文系の方でも十分合格を目指せる内容となっています。2021#2(7月)のG検定を受験し合格したので、その時の勉強方法や時間の使い方をまとめてみようと思います。
G検定とは
日本ディープラーニング協会(JDLA)が開催する資格試験で、「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。」といったモノです。
2021#2のシラバス
出題範囲は↓です。今回から内容が改定されたようです。
- 人工知能とは
- 人工知能をめぐる動向
- 人工知能分野の問題
- 機械学習の具体的手法
- ディープラーニングの概要
- ディープラーニングの手法
- ディープラーニングの社会実装に向けて
- 数理・統計
かなり広範囲から出題されます。言い換えると網羅的にディープラーニングの知識を習得する必要があります。特に今回から「ディープラーニングの社会実装に向けて」についてが強化されたようです。
実施概要
- 試験時間:120分
- 知識問題(多肢選択式・220問程度)
- オンライン実施(自宅受験)
G検定はオンライン試験なので試験中に検索ができてしまいますが、これだけの出題数を2時間でググるのは不可能ですので、知識をつけてから挑みましょう。
G検定受験に向けてやったこと
G検定は職業、業種にとらわれず、幅広い方が受験するので色々なタイプの方がおられると思います。受験前の私の状態は↓の感じでした。
- 人工知能の歴史は理解できていない
- ディープラーニングの基本的な概念は理解している
- ディープラーニングの手法で画像系は分かるが、音声(時系列)、自然言語、強化学習が弱い
- Pythonなどプログラミングは初心者
- 時事ネタ、法、倫理は理解できていない
- 数理・統計はある程度理解している
ディープラーニングの概要についての理解
私の場合ブログにまとめるという形で理解を深めました。このブログに書いてある内容は非常に役立つと思います。実際に試験で役立った記事を載せておきます。 ディープラーニングの基本的な概念が理解できていない方は公式テキストと並行してご覧いただくと良いかと思います。
読んだ本
- 公式テキストはシラバスの試験範囲を網羅しているので購入してじっくり読んだ方が良いです。
- 問題集は一周やりましたが、それしか使わなかったので無くても良かったかもしれません。
G検定模試
StudyAIが提供するG検定の模試を無料で受けることができます。
本番は約200問を2時間で解くので、その感覚を掴むのに大変役立ちました。これはオススメ。
YouTube
ディープラーニング手法で弱い部分は、公式テキストに掲載される内容だけでは理解が不十分だったのでYouTubeで学習しました。
NeuralNetworkConsoleの動画シリーズは非常にわかりやすいです。苦手な分野についてはまずこれで勉強しましょう。初心者でも分かりやすく説明されているので、誰にでもオススメです。
AIciaさんの動画は要点がまとめられており分かりやすいです。自然言語系はここで学習しました。少し難易度高いですがオススメです。
そのほかにも、強化学習や音声はYouTubeの解説動画で勉強しました。参考ですが私が視聴したものを載せておきます↓。難易度高く、ここまでの知識は要りませんが、公式テキストにも出てくるワードを説明されていますので、その辺りをメインで視聴すると理解が深まると思います。
時事問題の対策
時事問題はLedge.aiサイトにまとめてある記事を読んだり、このサイトに法律や最新動向をまとめた問題があるので、解いたり調べたりしました。
勉強方法・勉強時間
勉強方法
- 公式テキストの熟読
公式テキストはシラバスに沿った内容となっているので、これをまとめました。ただ読むだけだと忘れるので、マインドマップにまとめました。マインドマップの一例は↓
- ディープラーニングの社会実装に向けて(時事問題)対策
今回のG検定よりここが強化されるとのことでしたので、意識的に対策しました。公式テキストにもそこそこ詳しく書いてありますのでそこを抑えるのと、上述のLedge.aiサイトにまとめてある記事を読んだり、このサイトの法律や最新動向の問題を解きました。ちなみに、ネット情報をみると推薦図書であるAI白書を読むと良いらしいのですが、大ボリュームのようで、これは諦めました。
- 問題を解く
問題集、オンライン模試で問題を解き、間違えた部分についてマインドマップに書き加えたり、YouTube解説動画を見たりして理解を深めました。模試は難しので最初点数が低くても大丈夫です。私は5~6割の正答率でした。
勉強時間
平日は仕事、土日は子供と遊ぶので多くの時間は取れませんでした。それでも在宅勤務で通勤時間が無くなった分など利用し、平日1~2時間、休日は2時間程度の時間を捻出しました。3週間前から勉強したので、30時間前後といったところでしょうか。(ブログを書く時間は除いています)
- 15時間:公式テキストを熟読・まとめ、YouTubeを見る
- 5時間:時事問題対策
- 10時間:問題を解く。間違えの整理
- 試験前2日間は模試を解く時間として、本番での感覚を掴んだ
この時間配分は私の場合ですので、ディープラーニングの概要が分からない方や、初めてディープラーニングの勉強をする方は+αで勉強時間を見積もると良いと思います。
試験中の状況
本番は13:00スタートですが、12:50くらいから始めることができます。そこから2時間はノンストップです。問題の難易度としては上記の学習をしていれば、全く分からない問題は無かったです。
問題数が多いので、どうしても感覚やキーワードで即答したくなりますが、そこは落ち着いて問題と解答をよく読むことを心掛けました。
時間配分は1時間で100問以上回答をチェックポイントとして、1問30秒のペースを保つように注意して進めました。分からない問題はチェック欄が設けられているので一応チェックしておきます。ですが、戻って見る時間は保証できないので、ひとまず考えて分かる範囲で回答するよう注意して実施しました。
この方法で解いていき、ほぼ時間通りに解き終わりました。
感想
ディープラーニングというモノを製造業でどう使っていくか考える良い機会になったかなと思います。特に現在起こっている法的・倫理的な問題であったり、データの取り扱いを勉強できたのは良かったと思います。
一方で、G検定を取得してもディープラーニングを実装することはできません。なので機械学習エンジニアよりは、製造現場、研究者、経営側、データサイエンティストといった、データに近い人にとって有用な資格と感じます。
また、合格者になるとCDLEという日本最大のディープラーニングコミュニティへ招待されます。そこでは仲間を集めたり、質問や情報交換したりと活発な議論が繰り広げられています。ここへ所属できることもこの資格のメリットと思います。
G検定は資格としてそこまで難しいモノでは無いと思います。興味ある方は是非受験してみてください✌
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